TW4、百花荘と呼ばれる下宿屋に住まう少年少女の日常。
※わからない人にはただのSS置き場。リンクはTW関係者のみフリー。
2年前、おれの記憶。
雪の降るある日の事でした。
妹は今年初めての雪景色に大喜びで遊びに行きました。
その日は珍しくおれも一緒に出掛けることになって、
あの子と二人で近くの広場で遊ぶことになりました。
はしゃいで、転んで、また立ち上がってはしゃいで、
あの子は雪が大好きでした。
楽しそうなあの子を見てると、何もかも忘れられる気がして
おれはあの子の背中を見つめながらゆっくりとついて歩いてました。
ふと、あの子が視界から外れて、
あわてて足跡をたどりながら追いかけた先で、
「きょうにぃ!くまさんだよ!」
そう笑って手を振った彼女の後ろには、
斧を片手にあの子を見下ろす、着ぐるみのクマの顔を被った男。
男が斧を振り上げると同時に、おれは一足、男へ食らいつくように駆けた。
届く距離、間に合う距離。ポケットに入っていたそれを男に投げつけた。
斧を振り下ろす寸前、腕に命中したのはナイフ。
隙を見せた男の前から妹を連れ去って、おれはあの子に「先に帰って」とお願いした。
まだわかる。あいつはきっと追ってくる。
おれを殺しに、あの子を殺しに。
だったら――――
真っ白い雪の広場。
赤く、赤く染まっていく視界。
おれははじめて殺しました。
この世で一番大切なものを守るため、
どうでもいい他人の命を奪いました。
今でもあいつはおれを笑う。
頭の中で、狂ったように笑うんだ。
『く、っはは、あはは、ぎゃはははははは!!っ、げほっ……
ようこそ少年、この素晴らしき略奪者の世界へ!』
あいつはいつまでも、笑ってるんだ。
妹は今年初めての雪景色に大喜びで遊びに行きました。
その日は珍しくおれも一緒に出掛けることになって、
あの子と二人で近くの広場で遊ぶことになりました。
はしゃいで、転んで、また立ち上がってはしゃいで、
あの子は雪が大好きでした。
楽しそうなあの子を見てると、何もかも忘れられる気がして
おれはあの子の背中を見つめながらゆっくりとついて歩いてました。
ふと、あの子が視界から外れて、
あわてて足跡をたどりながら追いかけた先で、
「きょうにぃ!くまさんだよ!」
そう笑って手を振った彼女の後ろには、
斧を片手にあの子を見下ろす、着ぐるみのクマの顔を被った男。
男が斧を振り上げると同時に、おれは一足、男へ食らいつくように駆けた。
届く距離、間に合う距離。ポケットに入っていたそれを男に投げつけた。
斧を振り下ろす寸前、腕に命中したのはナイフ。
隙を見せた男の前から妹を連れ去って、おれはあの子に「先に帰って」とお願いした。
まだわかる。あいつはきっと追ってくる。
おれを殺しに、あの子を殺しに。
だったら――――
真っ白い雪の広場。
赤く、赤く染まっていく視界。
おれははじめて殺しました。
この世で一番大切なものを守るため、
どうでもいい他人の命を奪いました。
今でもあいつはおれを笑う。
頭の中で、狂ったように笑うんだ。
『く、っはは、あはは、ぎゃはははははは!!っ、げほっ……
ようこそ少年、この素晴らしき略奪者の世界へ!』
あいつはいつまでも、笑ってるんだ。
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HN:
霧守・暁
性別:
非公開
職業:
妄想人
自己紹介:
■下記PCの背後。
花月・鏡(d00323)
峨峨崎・非(d06993)
■イラストについて
========================
この作品は、株式会社トミーウォーカーのPBW『サイキックハーツ』用のイラストとして、
花月・鏡及び峨峨崎・非の背後(以降:霧守)が作成を依頼したものです。
イラストの使用権は霧守に、著作権は各イラストマスター様に、
全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
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